ログ残し

残すだけー

偽島11日目日記ログ


あの学園…。とある人はALIVE学園と言っていた場所。

地に落とされたルナが記憶を失って放浪した場所。

たくさんの友達が出来た場所。

そして…。

  • 時は遡り、時代はAlive学園卒業後の話-

『ルナ様、本当に行っちゃうのですか?』
『僕』は寂しそうに自分が主人と決めた人を見た。
『えぇ。わたしはー、まだやらなくちゃいけないことがーあると思うんですよー。』
変わらない笑顔。はじめてあったあの時から変わってない。

思えば、僕がALIVE学園で練習用の棒切れとして彼女の目の前に立った時から彼女に惹かれていた。その時も彼女は笑顔だった。

その笑顔は僕の無いはずの心を作った。そして、彼女に仕えるべきだと思い、彼女と一緒に冒険をした。

辛く、険しい旅だった。

余りにも脆弱な僕の身体は、やがて敵の一撃にすら耐えれなくなっていった。
それでも、彼女は僕を捨てることはなかった。いっそ、消えてしまおうと思ったことが何度もあったけど、彼女の笑顔で僕は立ち直れた。
新しい仲間も出来た。神楽坂姉妹だ。妹は、僕と同じくルナ様に魅せられて同行を願い、兄はその妹を探しにやってきた。

そして、最後まで一緒だった彼女の友達。

みんなで冒険することはなかったけれども、とても楽しかった。

やがて、僕の身体も変化が訪れた。


ルナ様が暗黒猫と呼んでいる存在。その存在に、僕は自分の感情と引き換えに原初の土の肉体を貰った。
人とは程遠いものだけど、肉体ができたことが凄く嬉しかった。そしてなによりも、ルナ様のお手伝いできたことが嬉しかった。



でも、そんな時間も終わりが訪れた。

Alive学園の卒業。
僕は、ルナ様に『これからどうするのですか?』と尋ねた。
ルナ様は『どうしましょうかねぇー』と、相変わらずの笑顔で答えた。
その時僕は、ルナ様が何処へ行こうと付いて行くつもりだった。もちろんあの神楽坂兄弟も同じ考えだったようだ。



数年後、僕達4人はとある町の孤児院に住み込みで働いていた。
子供達の世話は大変だったけど、凄く楽しかった。

ルナ様があのチラシを見るまでは。

街に買出しに行った時に偶然渡されたチラシ。それを見た瞬間、ルナ様は慌てたそぶりを見せた。冷静沈着なルナ様がそんな態度を一瞬でも取ると言うのはただ事ではなかった。
それからの数日間、ルナ様はしきりに何かを考えているようだった。

……何を考えているかは、馬鹿な僕でも分かる。だって、チラシの内容が宝探しのことなんだもん。

それからさらに数日。ルナ様は僕達を呼び集めた。そして、こう語った。
自分が人間ではないということ。
日にちが過ぎれば過ぎるほど、自分の力が消えていってしまうということ。

そして、このチラシに書かれている島の図から、失った力の波動が感じられる。とのこと。


僕はルナさまと一緒に行きたかった。でも、ルナ様は僕にこう言った。
『守ってーもらえないでしょうかー?私ではなくーここの場所をーそしてー、ここでの思い出をー…。』

……実は、これはルナ様からの初めてのお願いだった。
だから、僕はノー、となんて言える筈がなかった。もちろん神楽坂兄弟も同じだった。

旅立ちの朝、僕はルナ様に一つの玉を渡した。
少しづつ僕の体から溢れる原初の土。それを集めて玉にしたもの。
ルナ様は『ありがとう』と受け取ってくれた。

そして、深々と頭を下げて『行って来ますね』と言って去っていった。最後まで、ルナ様の微笑みが変わることはなかった。



僕がルナ様とお会いしてから、早数年。
僕はあの方に何を出来たのだろうか…。


だから、せめて僕はルナ様の無事を祈る。

  • ルナと共に旅をし、彼女を愛する、泥人形より。-

一応ネタバレ。
泥人形とは、前期(生☆Alive)で一緒に冒険したリュニスのこと。んで、『学園終ってから数年〜』ってあるけど、数ヶ月のほうが良かったなぁーと後悔。



暗黒猫ラジの方が気楽でいいね。