生☆ALIVEより転記
生☆Aliveの日記SSから…。ログ保護の為載せておきます。
Luna's Side Story:第一話『朱月想夢』
……夢。
朱い夢。
ひとり、赤一色の空間の中、佇む。
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急に、誰かに(何かに?)見られてる気がして、怖くなって走り出す。
走って走って、息が切れても、風が体を切り裂こうとも、ひたすらに走る。
そして、転ぶ。体を真っ赤にさせながらそれでもあがいて這いずって必死に……必死に逃げる。
すでに立ち上がりたくとも、足は無い。
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赤一色の世界に、一点だけ別の色が混じる。
猫だ。
真っ黒な猫。
猫は必死這いずり続ける私の顔の前まで歩いてくる。
そして、いつもこう言う。
『我を認めてた時代(とき)は終わったのか?忘却した振りをしても、我を忘れることなど出来ぬのに。』
『その眼(まなこ)。見ることをやめたのか?心の目を閉じて、見えぬ振りをしているのか?』
聞こえない。見えない。強く念じる。目を閉じ口を閉じ、心を閉じる。
『どんなにあがいても、堕天使は天使に戻れぬことと同じことなのに………な。』
目を閉じてても分かる赤い一閃。
顔が熱を放ち、風船に針を刺したかのように、そこから体中の力が抜けていく。
世界は、赤から黒に・・・かワッテ…イ………ク………。
………はっ!!
眼が覚める。空はまだ暗く、星が瞬いている。
身を起こし、タオルで体にまとわりつく嫌な汗を拭く。
(あの猫さんは…何をいいたいのでしょうか……。)
一通り体を吹き終わった後、そのことを必死に考えはじめる。でも、答えが出ないのは分かっている。
それでもルナは、朝まで、仲間が起きるまで考え続けるのだ。
答えの出ぬ問を、蒼い蒼い月の下。
↓ネタバレ。
以下、ルナの設定のネタバレ…と言うか、チラシの裏。
彼女は元々天魔という種族である。
美しい姿と羽の持ち主だった為、人々を魅了し、大天使すらその美しさに一目置いていたと言われている。性格もいたって真面目な為、天界・魔界の双方で人気があったようだ。
だが魔界・天界の双方の仕事をこなしたりするうち自らの感情が邪魔になり、自分の別人格をつくりそこに封印する。
そのため、ルナには喜怒哀楽の喜びしか感情がない。
魔力を持ち封印された別人格は、やがて形作りまっくろな猫の形となす。これが暗黒猫の正体。これもまた、ルナ自身なのである。
自らの魔力を封印したことに気付いた彼女の存在を良しとしないものたちは、当然の如く彼女の抹殺を謀る。
そして襲撃は成功し、彼女は羽根を失い地上へと叩きつけられることとなった。
だが、元々天魔と言う種族であったことによる高い回復能力により死なずに済んだのだが、命の代償に記憶と魔力の大半を失うことになる。
半死の状態で彼女を見つけた校長は、何を思ったのか学園に連れて行き手当てをすることにする。
これは、彼女の従者…もといもう一つの姿である暗黒猫がしむけたものである。
ルナの死=己の死であるため、彼女の死だけはどうしても避けたかったのであろう。
暗黒猫はルナの力である魅了を使ったのだ。
暗黒猫の目的はルナとの融合。
やはり、分かれても帰る場所は彼女しかないと判断したのだろうか。
なお、本来のルナの年齢は不詳…と言うか数えてない。と記憶がなくならなかったら言うであろう。性別は中性であるのだが、肉体ベースはイヴなので女性寄り。種族は人間と書かれているがもちろん天魔……なのだが、記憶が無くなり魔力の大半を失った彼女は人間という表現が一番正しいのかもしれない。
暗黒猫…
現在のルナではその存在すら感じることは出来ない。唯一、暗黒猫自身が関与できる状況である『睡眠』の時のみできる……なのだが、暗黒猫の魔力が強すぎ、少ししか記憶に残ることはない。そして、そのかけらにより彼女は苦しむことになる。
P.S.
苦しむってことは哀の感情になるのかしらん…。